プロペラスケール機を楽しもう  

A安心して飛行を楽しめる3翅プロペラの製作
 

最近ではバルサからつくり出すスケール機ファンは見られなくなり、手頃な価格でARF機体が求められますのでスケール機を楽しむ仲間が多くなって来ております。

★スケール機大好き

「空軍大戦略」・・・私が中学生のときに観た映画です。戦闘機好きの私からすれば第二次世界大戦当時の実機のレシプロ戦闘機がたくさん出た映画に当時はとても感動しました。ラジコン飛行機の世界に入ってもこの戦闘機好きは変わらず、スケール機にはまっているこの頃です。
 まわりの方から見れば、スケール機マニアはかなりオタクに見えるのではないかと自分でも感じています。例えばパイロット人形の塗装、機体に貼るデカール、引っ込み足カバーの形、プロペラの種類など興味の無い方からすれば「どうって事無いじゃないの」と思えることばかりです。しかし、飛行する姿を見てもらえば「おー、いいね」との声が聞こえますし、3機、4機を一緒に飛ばしての空中戦ごっこは飛ばしている本人もそうですが、周りで観ている人も充分に楽しんでいるようです。

当クラブでは、一人が飛行していると次の人は待っていることが多いですが、スケール機は2機より3機と多いほど面白いです。
 私自身何が楽しいかと言えば、実機らしく飛ばせた時が最高です。離陸直後のゆっくり上昇してゆく後ろ姿や大きな円を描くゆっくりした宙返り、ハーフスロットルで進入し目の前のローパス、尻輪を浮かせた二点着陸など自己陶酔に浸れる瞬間です。また、スケール機仲間との雑談や情報交換も楽しみの一つであり機体のグレードアップにもつながっています。最近は、比較的安価な機体が完成機で売られていることが嬉しいですし、スケール機仲間も増えてきました。
飛行機を飛ばす方、ぜひゼロ戦やムスタングを秋の青空に飛ばしましょう。

勝田ラジコンクラブ 渡辺副会長 談

★変身したARF機
ARF機体でもスケールマニアなら必ず手を入れたくなるこだわり!

フリーハンドでえがいた迷彩カラーリング。プラカラーで筆書きし、クリアーコーティングしたとの事。これで3翅プロペラ使用なら完璧ですね。

立山 会員 作

この様にスケール機を楽しむならこだわりを持ってスケール感を追求することで楽しみを深めてほしいのです。
ここで私も仲間入りするために安心して飛行が楽しめる3翅プロペラの製作にチャレンジ、実現させたいと考えました。
仲間達とプロペラのあれこれを語り合い、知識を深め、コミュニケーションの輪を広めていきたいと思います。

★各種4サイクルエンジン用3翅プロペラの製作
 エンジンの出力(トルク)とスケール感のマッチングから求められる大径3枚ペラを効率良く回すためには・・・・・思考の開始です。能のない私にはプロペラ理論から割出す能がないので単純明快に私流の製作のスタートです。
大きいダイヤのプロペラで効率の良い回転数と推進力を達成させるにはピッチにかかわるブレード面積、形状が性能を大きく左右することは誰もが理解できることです。製作にあたり、スケール観を満たすために零戦資料を参考に次の様なブレード平面形を作図してみました。

エンジンの持つ出力(トルク)とプロペラが吸収するトルクで回転数が決まりますので、いかに余分な負荷を与えない効率良い形状にするかを考えると、想定の範囲があれこれと考えられ、とりあえず能書き抜きに、まずは気軽に作ってみて、回してみて、飛ばしてみて・・・・結果を知れば次のステップが開けるからものづくりはおもしろいのです。
結論は安心して飛ばせる3枚プロペラを作ればいいことですからね。

★楽しみながらものづくりをするのがコツ
私はプラ板で実寸のプロペラ平面形をつくりヒネリを入れて前面からブレード投影面を観察する・・・・これが意外と直感的判断が生まれるので、私のものづくりのこだわりなのです。
一昨年飛燕120を製作の時、試作したペラが意外と良い結果だったのでそのステップアップのチャレンジです。

★正確なプロペラをつくるために
この製作法は自己流でやっているプロペラづくりですので参考程度にとどめて下さい。

@ダイヤとピッチにかかわる材料取り
ダイヤとピッチが確定すれば左図の様に作図します。

 
A:ピッチ(1回転で進む距離)
B:ダイヤ(プロペラ先端が一周する距離)

(注)実寸で作図しますと大きくなり過ぎますので1/2作図でもピッチ角には変化は出ませんので適当な縮尺で作図することです。
この作図によってブレードの製作に必要な材料取りが出来ることと各部分のピッチゲージをつくることができます。

A接合角、ネジレなどのない正確な接合をするために
 

左図の様に120°接合平面図をえがき各種3枚ペラの接合に利用します。今回製作するプロペラはFS52用、70用、91用、120用、FF320用を進めています。これは機体を持っているので楽しみに待っている仲間達がいるからです。

Bダイヤとピッチが決まり材料取りした素材からの加工法
下図のように素材に基本ライン取りをし、ピッチ面(斜線部分)から荒削りし、インチごとに製作したピッチゲージを当てながらピッチ面を仮仕上げします。
次にブレード平面形を削り取り、ピッチ面を完全に仕上げてから接合に入ります。上部翼面は加工しておりませんので上部翼面を下に接合すれば正確な接合ができることになります。

C翼形の加工
翼型は加工が簡単ですのでクラークY(ラジ技2006/10紹介)を考慮してみました。翼形ゲージは翼弦の一番広い位置で一枚製作し、後は感触で削り上げるしかありません。最後に翼厚確認で各インチごとにノギス当てすることで良しとします。形、格好など眺めながらの加工が一番楽しいところです。

Dガラスクロス(FRP)補強の必要性
木製プロペラですのでガラスクロス巻き補強後のテスト回転となります。

★いよいよ削りあがった3翅ペラ

今回製作の試作ペラで各エンジンクラスの適正なダイヤ・ピッチが確定できますので、テスト回転、フライトが楽しみです。

52用に試作したペラは昨日(10/22)スケール機を楽しんでいる会員の方々にお願いして使用している2枚ペラの推進力と比較してもらい、実際にフライトしてもらい2サイクル45エンジン・FS52エンジンいずれも意外な好結果でしたので、自信を深めました次回の更新で各エンジンクラスのテスト結果を報告できると思います。
良しも悪しも、ものづくりの楽しみがここにあるのです。
結果が良ければカーボン繊維入りグラスペラを仲間の方々に提供していく計画です。

勝田ラジコン オーナー

 


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