〓オリジナルボートの設計から製作〓

A スピードへのチャレンジ

◇ FRP船体の製作のための原型木型の製作 ◇

作り方は千差万別で方程式がありませんので「私流」という事で紹介します。

 

船体のアウトラインをホウガン紙大板に原寸図で側面図・平面図を描き出し、前回の講座での設計の考え、アレ、コレを組み入れてライン取りを決定した図面より各胴リブの断面図を計り出し、ホウガン紙に書き取り2mmベニヤ板に張りつけ、切り出してリブ組したものが写真の様に骨組構造となります。 

★ 製作進行過程でながめる楽しみも、ものづくりの原点
(一体構造で製作を進め、最後に上下2分割とする理由)
ものづくりの楽しさは徐々に形づくられていく過程でながめ、走りを創造したりの観察が楽しいのですから上図で示した様に胴リブの両サイド7mm位を残して点線部分はカッターを入れてカットしておくことで完成後、上下2分割する事が簡単にできることになります。

★ 骨組構造をしっかりさせ、くるいのない船体木型づくり
先に説明の様にリブの上下中心線部分を両サイド7mm位を残してカットしておきますので骨組構造からしっかりとさせるためにヒノキ丸棒を写真のように縦通させ骨組構成をした上で上面はバルサ張り船底面は2mmベニヤ板で張り合わせる製作法を取っているのです。

★ 完成させた船体木型が簡単に上下2分割できる。
FRP船体は上下2分割で接合・製作しますので木型の2分割ライン面の外皮プランク材には接着剤を使用しませんので写真のようにカッターナイフを差し込んで胴リブの外側一部を7mm(位)をカットしていくだけでかんたんに船体を上下2分割することができるのです。

★ 船底は2mmベニヤ張り、上面はバルサ張り合わせとする理由

◎船底は設計通り修正を行うことがありませんし、鋭角なコーナーエッヂを保持(型崩れ)をなくすためベニヤ張りとします。
◎上面のスタイリングラインは、ここを1mmけずり取ろう・・・
ここの曲線は思いきり深くした方がカッコがいい・・・
アレ、コレながめ、自己満足の世界となりますので加工可能となる肉厚を想定した構造製作にしておくことが必要なのです。
バルサは加工しやすいからです。

★ ものづくりの楽しさ満喫

○21クラスのモデルであっても、コックピットは開閉式(実艇と同じ)にして写真の様なスケールドライバー人形が現れたら、カッコいいから風防ラインは実艇と同じ様にライン取りしよう・・・なんて考えることが楽しく製作意欲・満足感がわいてくるというものです。

★ 設定通りの重心位置確保が課題
今回製作のモデルは船内エンジン搭載によるスピードを第一の目的にしているので一番頭を痛めたのが設定通りの重心位置に重量配分搭載できる構造設計とすることができるか?です。

1)燃料タンクはスポンソン内の重心位置に搭載できる構造とする。
2)エンジン(ギヤ―減速機構付)は重心位置の関連上、設定重心位置に近づけた搭載となるためチューンドサイレンサーの長さに制限が出るためカー用チューンドサイレンサーを使用してみる。
3)メカ類、チルトコントロールシステムなどの重量配分搭載が可能とするため両スポンソン上部の一部をハッチ式にしておくことで船体すべてが搭載スペース(4ヶ所がハッチ)とすることができるからなのです。
★ リヤ(船尾)のダウンホースを弱めるため。
当初これでいいだろうと考えたのですが、走航想像しながらながめている内にリヤ部上面を平面形状面積を多く取ると 障害となるダウンホースが発生するために形状を変更しのです。
◎まったく心配の無い安定走行の出来ている船体でもトップキャビンを外しての走航をこころ見てみるとパワー走航が不可能となってしまいます。それだけに船体上面形状も重要と考えるからです。

★ 木型の完成です。
いよいよ樹脂型製作となるわけですが樹脂作業法に関しては『講座飛燕120をつくる』でご説明しておりますので省略します。

次回はFRP船体の抜き取り船内エンジン取付方ギヤ―減速機構(20−40%)チルトコントロール機構、夢のスピードへのチャレンジなどを順次紹介します。


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