D レース場を制するV艇の調整と走航テクニック
◇今回の写真のサムライ21で解説させていだだきます
レース場(左下図)は限られたスペースの走航エリア内で何艇もの船が入り乱れて走航することになるわけですから、スタートから3〜4周走航すると水面はさざ波が立った状態となって平水面であり耐波性も両立させた、耐久レース(20周走行距離は約5Km)となりますので船の調整がいかに重要で、その難しさがうかがい知れるかと思います。
《速さの条件》
@立ち上がりが早く、トップスピードの速い船であること
A高速急旋回(右も左も)できる船であること
B耐波性の良い船であること
C走航距離(約5Km)をスロー・ハイの連続で走り通せるエンジンの安定性があること
以上のことを@から順追って考えてみたいと思います。

◇経験の浅い私達の私案ということで参考にして下さい。
☆立ち上がりが早くトップスピードの速い船であること。これは船体の持つ特性はもちろん、エンジンパワー、スクリュー性能などが大きい比重をしめているのですが、ここでは船体と水面のかかわりについて考えてみたいと思います。
ラジ技の中で林 景三氏が解説指導されている通り、船底と接水面が走航性能に大きくかかわっていることです。
平水面と耐久レース等では、その調整法が変わるのは当然のことです。しかし、私達はそれを両立させなければならない訳けです。
船体重量、浮力特性、空力特性、などは船体の設計、製作などによって固定されたものですので、重心位置、推進線(スラスト位置)推進角の調整などによって船体バランスを的確につかみ取ることで風にも波にも強くなることを追求することにあるのです。

☆重心位置の設定
飛行機の重心位置は計算式ですぐに求められるのですが船の場合はどう求めるかを知りませんので、私達が一般的に行っていることを説明しますので参考にして下さい。
◎メカを積む際どの船体にも言えることですが積み安いところに積んで、走航結果をみてウエイトで!は絶対やっていないということです。
たとえ20gでも30gでも重くするなんて考えていないからです。

◇船外エンジン仕様のサムライ21は船体そのものがメカBOXと考えて上部はプレートハッチになっています。
《メカ搭載と重心位置の見極め方》
バッテリーは船首に置いて、船体全長の30%(トラサム側)以内に重心が入る様にセットを考え、燃料タンクは重心位置付近にセットすることにしましす。
エンジンは図で示す様にに推力線(スクリュー軸)がV角の先端に位置する様にセットし推進角0°でフルパワー走航の時の船底の接水面を観察します。

その時、船体が何となくへばりついた状態(接水面が多い)に見える時は、バッテリーを船尾(トランサム)側に移動し走航姿勢を見ます、変化があるはずです。
船長の中間(1/2)附近から後方が接水して多少ローリングを起す様であれば船体がリフトし適正な位置附近にあると考えるのです。推進角(トリム)をけり上げないと船首を浮かせない様であれば重心をなお後方に移動することにします。
※重心を船尾位置過ぎるとフラップ、トリム角調整などではカバーできない耐波性の悪い船になってしまいます。
エンジンパワーで押し切る走航ではなく、パワーを最大限に生かし切れる走航には重心位置は無視できません。
この様にして船体の重心位置を決定しています。
強度重視で重たい船体に作られている船の場合はエンジン搭載場所、メカBOX位置等がきまってしまっているために重心がかなり前にセットさせることになってしまい、パワーで押し切る以外になく、私達のレース場内では良い結果が出ておりません。

☆高速急旋回(右も左も)できる船にするには・・・
V艇の場合、旋回時に船体姿勢は左図の様に傾いて旋回すると考えますが、フルパワー直進走航でリフトした船体が高速急旋回のカジを打たれた場合、船体がかたむく以前にアウト側へゴツゴツと引っかかる様にハネ上がって横転したり、スピンしてしまいます。
◇半径3〜4m以内で旋回できる船にしなければならないのです。まがらない、まがらないでパワーダウンすることを1周で4回くり返していたら勝負になりません。

☆横転、スピンを防ぐ急旋回法?

◇安定フィン(ターンフィン)の角度に注目!
写真で示す様に取り付け方で急旋回を安定、可能にすることができるのか・・・
(この取付法はカタマランのシリーズチャンピオン大里氏の発案でその走りを見て絶賛したのです。)
この方法はまだ数人でテスト段階ですので参考資料にして下さい。
◇カジを切って横すべりに入る船体の尾部をフィンによって引っかけ船尾側面を押し下げる力を発生させることで旋回効率を高上させる役目と横転を防ぐ効果を両立させているのではないかと考えるのです。

☆ターンフィンに可変取付ホルダーの製作で効果を見る!
板厚2mmのアルミ板を利用して下図の様に製作しますと取付角、まげ角調整が出来る結果を見ることが出来ます。

フィンの大きさ、取付位置、角度の決定は走らせながら見極めることにして下さい。

☆耐波性を高めるには
追い風・横風・向い風・引き波・△波・そしてスピード、操縦テクニックではカバーしきれない常に変化する水面コンディションをすべてクリヤーできるセッティング・・・?
◎フラップ効果もためしてみよう!
ラジ技2004 5月号で林 景三氏のテクニック指導を参考に取付位置、フラップ面積(長さ)なども、両面テープ接着で充分もちますので延長板をつけてテストしてみることです。
これは、総合的な調整バランスによって変化することですフラップの必要性、取付位置、大きさなどはいちがいに決定できないからです。

☆エンジンの安定性はアイドル調整にあり!
エンジンカーをシャカリキでやっていた頃、レスポンスの良い立ち上がりが何とも言えない満足感があったことが脳裏にありつい無負荷(空間)でステックワークに追づいする立ち上がりを求めるとアイドル調整をしめてしまいます。
XM21船外エンジンには、これは禁物です。
ニードルを少し開いて、おぎなえることではありません。
ワンタイミングおいて追づいする位が安定した走航となるはずです。
◇アイドル調整が完全であればニードルは1コマでしぼりすぎ、1コマ開いてフルタンク走れる限界ギリギリで走航できるものです(私の場合)

次回は走航テクニックについて考えを書いてみることにします。

ガンコオヤジ     


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