本格レース場で魅力のパワー走航に挑む
@ パワーボートセッティング講座
実艇のF550レーシング艇をモデルにOS21XMエンジンを搭載した
1/5サイズのRCモデルレディホーク21を紹介します。
<<1/5RCモデルのカラーリングデザインを実艇に取り込む!>>
模型では実艇のF550をモデル製作された船体が開発されていませんでしたので製作
してみたいと考えていた時に、友人の娘さんが実艇のレースで2002年度シリーズチャンピオンを
獲得されたことを知り、そのスポンサーに加えて下さいとお願いして、まず1/5サイズのRCモデルを
製作しレディホークという船名でデザインをおこしました。気に入っていただいたので5倍の
ラミネートシールを製作し実艇を模型と同じデザインにし2003年度は出場していただきました
。
<設計上 なぜスケールモデル化しなかったのか・・・>
OS21XM船外エンジンはすでにV型艇でその性能的な範囲は把握しておりましたので、
立ち上りが早く船体がリフトし向い風で舞い上がらずスピードのでる船体の製作?などと
欲深い考えをしたために船底の設計が私流の製作となってしまいました。
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諸元
全長
全幅
全備重量
船体重量
船体 |
710mm
300mm
2200g〜2500g
1100g
FRP |
<実艇とここがちがう!>
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イ スポンソン船底のふところを少し深めにしZライズ角を
増やし耐波性を良くする。
ロ 重心位置にステップをつけて離水効果をあげて
接水抵抗を減らす。
ハ トンネル尾部で船体揚力を上げる
ニ RC船外エンジンはスクリュー位置が船体(スポンソン)
尾部より遠ざかるために実艇より取付位置をスポンソン尾部に
近づける
ホ トンネル内の船底は招薄型の材質仕上のため平板
とせずほんの少しV型形状で強度を保つ |
以上の様なことを考えに入れて設計製作してみました。
船体はFRP製作ですので試作艇なしで生産に入りテスト走航となったのです。
<最初のテスト走航でとんでもない結果でびっくり!!>
船外エンジンの性能はV型艇で経験しておりますのでスクリューはX440−3枚(改)で開始、胸はずむ思いで
エンジン始動 初走航だ! エンジン全開、立ち上がりが早くオーと思った瞬間、方向性を失ってスピンどうしてもフルパワー走航で安定しない何だこれは?カタマラン艇では経験のない結果となってしまい走航中止
<その原因は?>
実艇とはちがいスポンソン尾部よりスクリュー位置が大きくとおざかるために船底の接水面が少なくなった時に
起こる現象の一つと考えているのですが?安定フィン(ターンフィン)をつけるしかないと図に示すように両スポソン尾部サイドに安定フィンを取付け再度テスト走航です。
<安定フィンの効果と有害抵抗>
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エンジンを徐々に全開、トップスピードに乗るかと思いきや!!スポソン前部に水がカブリ込み頭を下げる現象を起こす程すごい抵抗となったのです、図の様な調整可能な安定フィンを取付けておりましたのでイ→ハの位置、水平に取付けて走ってみるとベリーグッド、立ち上がりも伸びもバツグン最高の気分で満足!・・・いやしかし待てよ、フルパワー旋回の右カジのみが巻き込みが出るためパワーダウンが必要となるため角度調整が必要となるのです。フルスロットルに近い状態で左旋回は思い切り当てられる。この急旋回がカタマラン艇の魅力なのです。 |
<進化続けるスピードへのチャレンジ>
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私達のレース場は左図の様なコースレイアウトになっており、走行最短距離で1周230mのコースで左右の旋回性能と立ち上がりの速さを要求されるコースです。
3月にレース場をオープンしレディーホーク21の1周のラップタイムが16秒台から現在13秒台(平均スピード60Km以上トップスピード70Km以上)となるまでのセッティングのアレコレを紹介して参ります。
<何でだろう?>これは不思議
私たちは、V艇もカタマラン艇も左旋回の20周レースでシリーズ戦を行なっているのです。
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次回はOS21XM船外エンジンの限界に挑む改良と調整について紹介します。
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