『飛燕120』をつくる  

A 《木型の製作》

機体はこの様に作られていくという製作法の1つとして参考資料にしてください。

基本設計が完了し、木型製作に入るのですが、ここで一番熟考が要求されているのです。というのは機体製作の最終工程までの手段・手順を決定した上で木型の設計に入るからです、どの様な製作方法が手間がかからず、軽量化生産が出来るかにかかっているからです。
木型、抜き型製作には、どんなに手間をかけても製品化の場合どれだけ作業がスピーディに進められるかを考えるからです。製作者が楽することで、お客様に手間をかけさせることを考えてはならない・・・、これが馬鹿な私の信条ですから、今回の飛行機も、ここまでやるか!に挑戦してみます。
ここで私は下記の手段を想定した木型の製作に入りました。

写真は5日間の作業で形造られた飛燕の姿です。

<木型の製作内容>

@主翼は左右一体、上下2分割とし、引込却収納BOX、サーボ取付BOXは後付とする、エルロンは別パーツとする、フラップ加工はしないこととする。

A胴体型はタテ割2分割とし、垂直尾翼まで一体とする、ラダーは別パーツとする

B水平尾翼型は上下2分割一体でエレベーターは別パーツ

Cフィレット部はスケール機で一番手を抜きたくない所であるため

写真の様に大きなフィレットの魅力を再現することに抜き型に苦心を考えております。

Dエンジンの取付マウント、メカ積プレート等々はすべて胴体接合時に組込み済みで接合可能をさせる

ここまでの説明でわかる様に胴体はFRP樹脂作業を終了、製品を抜き型より抜き取った段階でほぼ完成品とする想定です。

<木型の材料に最適、格安材を購入>

お正月商戦が終わった1月6日ホームセンターへ、木型材料の調達です。今まではバルサ材、ベニヤ材の使用で木型を作って来ましたが今回はファルカタというキリの修正材を使用する事にしました。

板厚     9mm 900×1800
板厚   12mm 900×1800

を張り合わせてムク材からケズリ出す事にしました。これは初めてのこころみです

<主翼の木型製作>

左図の様に主翼平面図より片翼の平面形板のゲージを1枚つくり翼厚分積層、接着するのですが、左図の様に翼型断面より何枚必要であるかわかります。
翼中心線(分割面)より上何枚、下何枚かを積算して必要枚数を切り出します。

主翼はネジリ下げ1.5°で製作しますので写真の様に1.5°ネジリ下げた台セット(左右一体のもの)を作り1枚づつボンド付け積層、接着します。

※上下2分割するため翼中心線面は接着せず、点付け程度にしておきます。
写真のネジリ下げ台は2分割後の抜き型製作にも使用します。
写真右は積層接着された主翼材です。

この様にして、翼の左右の積層板が完成しましたら側面に翼型ゲージを固定して削りだすことになります。

スケール翼の製作ですので大きな翼厚比となり、翼端側への削り出しが多くすごく大変ですので小型の電気カンナを使用し刃を最大限に出して削りますと1回で1mm以上カットできますので以外と簡単に削り込めるものです。

翼型ゲージに近づいた頃は刃を引込め定規を当てながら慎重に削る事です。
ファルカタ材はハードバルサより少し硬め位ですのでペーパー仕上加工も比較的楽でした。

翼端の円形加工、エルロンの切り取り加工は翼の仕上加工が完全に終了後行うことが正確な主翼をつくるこつといえます。

<水平尾翼型の製作>

水平尾翼も主翼同様に製作手順となります。

<胴体型の製作>

胴体側面図より切断ケージ板を1枚つくります。

胴体上面図より何枚積層となるかを積算し必要枚数を板取りします。

◎積層接着してからキャノピー部主翼取付部を切り取るのは大変ですので接着前にミシンでカットしフィレット加工型材として使用します。
・胴体はタテ割2分割型としますので分割面の接着は点付け程度としておきます。
・胴体上面図より上下にカット面の線入れをして削り込んで行きます。

写真の様に側面の削り込みが完了しますと部分断面ゲージ(片側でよい)を当てながら、カンナ・カッターナイフ等で
曲面の加工となりますので一番楽しみがわいて来る所です

部分断面ゲージを何ヶ所かつくり削りこみます。

<垂直尾翼の製作>

垂直尾翼も平板ではなく翼形加工ですので側面図より1枚ゲージ板をつくり翼厚分積層接着します。

 

上下部分に翼型ゲージを固定し削り込み仕上をしていきます。
整形終了後ラダー部をカットします。
以上の様な工程で木型製作を進めましたが、ファルカタ材は加工しやすく比較的楽に整形できました。

私は販売店オーナーですので作業ばかりもしていられず1月は5日間しか製作にかかれず60才を過ぎた私には根気もパワーも衰え大変です。
4月にはボートのシリーズチャンピオン戦がはじまりますのでボートの注文分3台は完成させなければならず気ばかりあせって来ました。

<もの造りの楽しさ>

この講座を見て下さるマニヤの方々は理解してくれることと思いますが、造るという事は本当に楽しいですよね!
手作業の連続で疲れ果て、テレビを見ているとふと・・・3枚ペラで理想のものが無いな・・・よし作ってみようか、
次の日に完成したのが写真の試作ペラです。

16インチサイズを2種類作ってみました、グラス巻補強してテストしてみます、結果よければ報告しますね。
3枚ペラ用スピナーコーンも作らなければ・・・パイロット人形も上半身だけのものでは情けない・・・となってしまうのです。
そんな、こんなで体を休める暇もなく金も無い楽しい人生です。
こんな私と心を1つにしてくれる多勢の仲間(お客様)に支えられ幸せの一言です。
どんな作品が完成するかお楽しみに!

店主 ガンコオヤジ            

次回は抜き型製作、樹脂加工法を紹介します。

更新予定

次回は木型の製作について紹介いたします。

樹脂のヌキ型の製作

FRP加工法

塗装とカラーリング仕上げ

メカ積から飛行まで


Copyright(C) 勝田ラジコン模型 All rights reserved